| 20251030 |

 


ふとたまに不安になる。Yくんの生業を助ける仕事をしてわたしは暮らしている。もしYくんがいなくなちゃったら、わたしはどうするんだろう。自分発のしたいことを、なにも思いつかない。仕事をしたくない。責任を持ちたくない。それでも、きっと、わたしはわたしの問題を解き続けるだろう。わたしの頭の中の問題を解き続けることだけは、誰に頼まれなくても止めないだろう。そこには何の目的もない。なんの成果もない。ただ、わたしの飽くなき興味のために。それだけがわたしの仕事。それだけがわたしの生業。子供の頃、思想家というのに憧れた。考えることを生業にする人。わたしは思想家ですらない。もやもやしたりいらいらしたりする。それが仕事の始まり。もやもやも、いらいらもない、幸福な女の人になりたいけれど、きっとそれだけだとわたしには詰まんないのだ。わたしのごちそう。わたしのフルコース。わたしが体験するどんな怒り。どんな憎しみ。どんな嫉妬。どんな情けなさ。全部、わたしのための、わたしが食べることのできる、わたしのための、財産、それだけがわたしのものになって、それだけが確実にわたしに渡されているもので、だから誰にもやらない。誰にも濁らせない。誰にも薄めさせない。全部、全部、わたしのもんだ。わたしだけに与えられた、この世界で、わたしが味わうためだけに用意された、そして、わたしが真実理解し得るものがあるとしたら、そこの中以外のどこにも存在しない。わたしのリアルはその中にしかない。わたしの全て。わたしの財産。全部余すとこなく食い尽くしてやる。すみずみまで全部、味わい尽くしてやる。惜しまず食べる。わたしの感情。詰まんないことにひっかかって、小さなほつれ、それだって大事な大事なわたしの、世界から与えられた贈り物なんだよ…!じっくり見るし、じっくり舐めてやる。全部、全部が、そう…沈むためじゃなく、染まるためじゃなく、味を見るためだけにわたしに訪れる「体感」。頭の中を刺激で満たす、「感情」。そして感じたいだけ感じて、吸い込みたいだけ吸い込んで、流れて、去る。執着できない。掴めない。留めておけない。そういう、劇場。わたしの身体。これは神様から借りてるの。わたしの目。わたしの舌。わたしの育てたフィルター。身体という小さなハコに乗ってるの。龍の性質が分からない。水。精霊は、水が大好きなんだろうか。よその他の星から来た精霊が、自分の星にない水が、素敵でたまらなくて、やってきてぎゅうぎゅうに宿って、その集合体が龍なのだろうか。そんなことを考えながら、空を見上げた帰り道。へびみたいな雲と、龍の鱗みたいな雲が一面と、龍の目みたいな夕日と、美しいと思って家に帰った。今、思いついた。ひとりにになったとしてもしたいこと。今よりも暗いお店で、サンドイッチとスープとお茶の店をしようかな。絵とか本とかレコードとかピアノが置いてある細長いお店。そうかお店か。アップデートお断りの。